奥羽教区について


第6期奥羽教区長期宣教基本方針(2013~2023年度)

主題 「希望に生きる教会」

 「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和であなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。」(ローマの信徒への手紙 15章13節)


宣教基本方針

 教区形成の柱として 「一つなる教会」の伝統を歩んできた奥羽教区は、主イエス・キリストを頭とする教会に連なるものである。東日本大震災の痛みを負い、東京電力福島第一原子力発電所爆発事故による放射能汚染の中を生きるこの時代においても、教区はキリストの十字架の贖いと復活の希望の中に共に祈り合い、支え合う交わりを形成していく。そして、神と人とに仕える教会の使命を果たす。


目標

1.[礼拝] イエス・キリストを主と告白し、霊と真理をもって礼拝をささげ、希望に満たされて世に出て行こう。 

2.[伝道] 和解の福音を委ねられた教会として、時が良くても悪くても共に福音を宣べ伝えよう。

3.[奉仕] み心が地にも行われることを祈りつつ、正義と平和の実現のために仕えよう。

4.[教育] キリストの体の部分として共に成長しよう。

5.[全体教会・連帯] 「一つなる教会」 として宣教協力をし、それぞれの教会の使命と希望を分かち合おう。


[作成にあたって]

 私たち日本基督教団奥羽教区に連なる信徒、教師たちは1963年以降、十年毎に定めた長期宣教基本方針によって、教区の、そして各地域に立てられた教会伝道所の宣教の業 に励み、各々の務めを果たしてきた。この歩みは第五期の2012年度末で半世紀を数える歴史となる。この五十年の間、常にその中心には教区が「一つなる教会」として共にあること (教区の教会性) への信頼と交わりがあった。また 「日本基督教団信仰告白」を告白し、それによって立つ確かな教会形成を願い、かつ「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」の指し示す教会の社会的責任について、この世にある教会の大切な使命の一つとして受けとめてきたことを改めて覚えたい。

 第五期は「さあ、共に生きよう」の主題で歩んだが、 2011年3月11日の東日本大震災、並びに東京電力福島第一原子力発電所爆発事故を経験し、それまで以上に互いの重荷を負い合いながら、宣教協力を続けている。第五期の方針で確認したように、神から託された教会の使命は福音の宣教であり、それを「礼拝と伝道と奉仕」と包括的に受けとめる。私たちは、主日毎にささげる礼拝、世への伝道、遣わされる社会での様々な奉仕において、いかなる時にも神に招かれ、使命を受け、送り出されて生きていく。

 各々の教会の現状に目を向けるとき、私たちにはしばしば楽観できない事実があり、こ れからの十年はますますその厳しさが深まるであろう。だが、教会はキリストの体であり、教会のかしらは勝利者キリストご自身であることが、教会が最初に信ずべき神の現実である。この方は、私たちの弱さの中でこそ、生きて働く力を与えられる方である。毎週の礼拝を始めとする教会の営みのすべては、このことへの信頼に土台を置いてなされるものである。

 私たちは、十字架と復活の主キリストこそ教会の主であり、同時に世界の主であられることを信じ、それゆえに神以外の何ものをも神としないことを告白する。すべての被造物の主である神はこの世を愛し、奥羽の地を愛される方である。この奥羽の地には、いのちを育む農漁業に携わる人々がおり、他方いのちと生活を損なう「核燃半島」を抱える現実がある。私たちは、奥羽の現実と課題を受けとめ、この地を愛し、神の義と平和の実現を祈り、神の国の完成を仰ぎ望みつつ、教会の使命を果たすことを志す。

 以上のように受けとめた私たちは、上記の主題、聖句、そして宣教基本方針また目標を定め、御言葉が示す主イエス・キリストのご委託に応えて、主なる神と隣人とに仕えながら、再び来たりたもう主を待ち望む希望をもって第六期の十年の歩みを進めていく。