2025年度 奥羽教区宣教計画

教区主題 「主と共に沖へ漕ぎ出そう」(2024年~2033年)

聖  句 「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」(ルカによる福音書 5章4節)


宣教基本方針

奥羽教区は設立以来、教区形成の柱として「一つなる教会」を掲げ、「教区の教会性」を保つ工夫を重ねつつ歩んできた。東日本大震災の痛みを負い、東京電力福島第一原子力発電所メルトダウン・爆発事故による放射能汚染の中、2019年度の終わりからは、COVID19によるコロナ禍が全世界に拡がった。それにより、社会の分断と貧困、孤立・孤独の問題は一層深刻になっている。教区は困難な状況にあっても、キリストの十字架の贖いと復活の希望を持って、共に祈り合い、支え合う交わりを形成し、神と人とに仕える教会の使命を果たしていく。

また、奥羽教区は核燃サイクル問題をずっと課題としてきた。しかし、東日本大震災を経て原発に一定の歯止めがかかっていた状況が変質し、国の姿勢は原発回帰に変わってしまった。このように変化した社会に、教会は人々がつながり、希望を持ってそれぞれの人生を歩んでいけるように福音を伝えていく使命がある。


◎共に歩むための新しいつながりを生み出す体制を整える

弟子たちに「沖に漕ぎ出しなさい」と背中を押された主イエス・キリストが、共にいてくださることをわたしたちも信じて歩み出したい。沖という困難な現実に向き合って、神の国の実現を目指して進んでいきたい。

 教区内の教会・伝道所が、一つも漏れることなく、一緒に沖へ漕ぎ出せるようにしたい。その基本として、どの教会・伝道所もオンラインで繋がり、さまざまな集会や話し合いに参加できる体制を一刻も早く作っていく。それぞれの現状を把握し、教区としてどのような手順で具体的に対策ができるかを考える。そして、地区を中心に奉仕者を募り、対応していけるようにしたい。


◎具体的な課題への取り組み

 整えた体制で、さまざまな課題に向き合っていく。特に、教区が長年担ってきた課題の継承を急がなければならない。これまでのように特定の人に任せるのでなく、できるだけ教区の多くの人たちが、自ら学びながら関わっていける仕組みを作っていきたい。特に、多くの信徒が広く活躍できるように工夫したい。


重点目標

・2025年度部落解放全国会議の開催教区として、開催に向けて責任をもって進めていく。

・礼拝で御言葉に聞き、主イエス・キリストを教会と世界の主と告白、賛美することは、教会の土台を成す基本である。この世を愛し、僕として仕えられたキリストの主権を宣言する教会の形成に務め、福音と聖礼典が確証する神の国を待ち望む。

礼拝で使用する楽器(リードオルガン)のメンテナンスにも取り組んでいく。

・各教会・伝道所に集う一人一人がキリストによって神と和解し、「和解の共同体」を形成し、世に「和解の福音」を宣べ伝え、主なる神と共に生きる喜びを証しする。信徒と教師が共に賜物を活かして運営する教区を目指す。

・教区内各教会・伝道所また関係施設や学校に向けて諸集会や教区通信を通して「長期宣教基本方針」への理解とその実質的な取り組みを進めていく。

・教区の伝統である「一つなる教会」をより実質化するため、現教区機構による活動を充実させる。感染症の状況を見て、集会と予算を考慮しながら運営していく。特に、オンラインによる体制づくりを具体的に進めていく。

・教会強化推進会計を充実させ、礼拝堂へのエアコン設置や除雪機購入の補助の取り組みを進めていく。

・15年目に入った東日本大震災の被災地並びに各教会の課題や、外には見えにくい痛みを覚えて祈り、継続して被災地の教会と共に歩む。また今後の中・長期的な教区としての震災との関わり方を見いだしていく。

・聖書が証しする神の平和、正義、被造世界の保全を求めて行動し、特に「農」「漁」「自死」の課題に取り組み、不当に権利を奪われた人々・命・自然に寄り添う。

・現憲法の精神を支持し、現憲法「改悪」に反対していく。

・教団「戦責告白」が指し示す教会の姿勢を自覚する。戦中にわたしたちの教会が国の方針に従い戦争を支持し、戦争遂行に協力した過ちを認め、戦後のアジア諸国ならびに教会への関わり方を見直しつつ交わりを深める。宣教協力を交わす在日大韓基督教会などと共に、現在も戦争が続く隣国に積極的な呼びかけをなしていく。

・教区内の関係施設に関わる課題を共有し、教区の協力しうる方向性を検討する。特に、教会が施設に対して抱き続けている考え方や体質の改善をはかっていくために力を尽くしたい。関係施設を通して豊かに福音の種が蒔かれるよう祈る。

・日本基督教団のセンターである「奥羽キリスト教センター」は、運営委員会の働きを通して教区が責任を負う。センター活動が支障なく行われ、教区の宣教に資するように、さらに努めていく。

・東京教区北支区との主にある繋がりを深め、相互の交流を継続する。

・第43総会期を歩む日本基督教団が主にある希望を持って互いに信頼し、一致するように願い、奥羽教区として働きかけていく。また、教区内から選ばれている教団の役員、各種委員会の働きを担う信徒と教師のために祈る。

・隠退教師を支える運動に協力する。

・ハラスメント対応として教区窓口設置と解決に向けた道筋の策定、啓発活動に取り組む。相談窓口設置を具体的に進めていく。

・各教会・伝道所・関係学校や、地区、教区においてジェンダーやセクシュアリティについての学びを促して行く。

・高齢化や会員数減少により逼迫している教会会計を踏まえつつ、教区の財政改革にも着手していくことを考える。

・六ヶ所村の核燃料サイクル事業、むつ市の中間貯蔵施設、大間、東通りの原発施設についての課題に教区として取り組んでいく。

・カルト問題対策、宗教2世問題などへの取り組みを進めていく。

・沖縄教区と奥羽教区の連帯を推進していく。


2025年度活動計画

(宣教部)

①伝道部門

・奥羽教区ホームページの充実

 教会紹介、教区組織、教区の集会案内、問い合わせフォームなどを掲載する。

・礼拝で使用する楽器の維持、管理を進める。

・IT推進を進めていくために、環境の整っていない教会・伝道所への支援を進めていく。


②教育部門

・第69回ユースサマーキャンプ(ユースの集い)と合わせての開催方法を考える。

  日時:2025年8月18日(月)~20日(水)

  場所:秋田県・秋南教会

  主題:「主と共に沖へ漕ぎ出す」意味を考える

・第49回キリスト教幼児施設教職員修養会

 日時:2026年1月5日(月)~6日(火)

 場所:岩手県・奥羽キリスト教センター

 講師:未定

 主題:未定


③社会部門

・2025年 部落解放全国会議 10月7日(火)~9日(木)

於:国立ハンセン病療養所松丘保養園、青森教会

  教団部落解放センターと奥羽教区の共催となる、この会議に関わる活動を2025年度の社会部門の活動としていきたい。

・2025年7月7日(月)~9日(水)に各県で開催されるプレ研修(各県の部落問題について現地研修を行い、全国会議で発表する)を教区の社会問題セミナーや差別問題学習会等との共催で行っていく。


(教師部)

 今年度も2回の集会を行う。過疎少子化が進む地方の厳しい状況の中、教師が孤立せず、つながり合って希望を見出していく体制を作っていくために資する集会を行っていきたい。

 教師部会は引き続き、夜のオンラインと、集会の前後の時間に対面で行う。

1.教区教師宣教セミナー

 今年度は、外部からの講師は招かず、教師の親睦を深めて互いに知り、教会の課題をわかちあって励まし合える時としたい。教区教会婦人会連合「集い」が、同一会場で引き続いて行われる。

2.教区教師継続教育講座

  東北学院大学文学部総合人文学科の協力と支援のもと、教師の神学的な学びのために、「第22回教区教師継続教育講座」を開催する。

3.その他

 北海・東北両教区の教師セミナー、および教師に関わる教団の集会等に教師を派遣する。

また必要に応じて、教師に関わる諸課題を扱う。

[集会計画]

1.第66回教区教師宣教セミナー 

  日 時:2025年9月22日(月)〜 23日(火)

  場 所:あきた芸術村温泉ゆぽぽ

  主 題:「主と共に沖へ漕ぎ出そう -教会と発達障がい-」

  発題者:阿部晋也教師(脇本教会)、中西絵津子教師(脇本教会)

  ねらい:発達障がいの人を教会が受けとめ、教会がその人の居場所となり、共に教会の枝となっていけるよう、その特性を知る。発題をきっかけに、教会の課題について少人数のグループで討議をし、教師間の親睦を深めていく。

2.第22回教区教師継続教育講座

  日 時:11月第1週から第2週の平日で依頼(例年、11月に開催)

  場 所:奥羽キリスト教センター

  講 師:未定(東北学院大学文学部総合人文学科からの派遣による)

  ねらい:牧会の現場にある教師の神学の研鑽の時とする。


(財務部)

1.教区会計の適切な運用を図る。部落解放全国会議開催準備費等を配慮した予算案とする。

2.教区内各個教会の負担金計算方式について、より公平に配分するための新しい計算方式の検討を行う。

3.2025年度はさらにIT化を推進する。

4.「教区の日の献金」アピールを強化し、教会強化の資金の充実を計る。

5.教師謝儀互助は奥羽教区の支え合う教区として維持しなければならない制度であることを確認し、このための資金確保のために努力する。

日本キリスト教団 奥羽教区

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